食品メーカーに勤める私は、自社商品のブランド力を上げるべく情報収集する中で、モンドセレクションの可能性に着目しました(かっこよく書きましたが本当は上司に指示されただけです)。実際にモンドセレクションの申請方法を調べると、申請書類はすべて英語かフランス語で提出する必要があり、成分や機能だけならまだしも、商品の特性をそれらの言語でアピールするとなると自社ではかなりハードルが高く、また万が一落選したら来年まで待たないといけないということもあり、モンドセレクションの申請代行会社に依頼すべく、調査した結果を記載します。掲載しているすべての代行会社に直接連絡した訳ではありませんが、色々調べた際に最終選考に残った会社を掲載しております。ぜひ代行会社の選定にお役立てください。
※紹介順に関係はありませんが、この内の1社に代行を依頼しました。結果についてはページ下部で紹介します。
いきなり代行会社に依頼する前に、まずは自社でやりたいと思った方に、モンドセレクションの申請・登録方法についてご案内します。
モンドセレクションは様々なカテゴリーに分かれており、カテゴリーによって提出する書類が変わります。まずはモンドセレクションの出品から受賞までの流れを食品カテゴリーを例にご案内します。
オフィシャルサイトにアクセスし、企業および商品を登録するために必要書類(企業データと商品登録用紙)をDLおよび作成。作成した書類をメール・FAX・オンラインのいずれかで提出。※英語・フランス語のどちらかで作成ください。作成した資料は商品サンプルの発送時にも必要になりますので、必ずコピーを取ってください。
企業データおよび商品登録の申請完了後、商品サンプルをベルギーにあるモンドセレクション本部に送ります。配送方法については、公式サイトによると「速達便での配送が望ましい」とされており、FedEx・DHL・UPS・日本通運など業者の指定はありません。また、配達遅延や商品の損傷リスクがあるEMSでの発送は控えたほうが良いとのことです。賞味期限の短い食品はできる限り品質を落とさずに配送したいものですよね。ちなみに受賞の有無に関わらず、商品サンプルはモンドセレクション側で破棄されます。
企業データ・商品登録および商品サンプルの発送が完了したら、モンドセレクション本部よりメールで請求書が届きます。請求書を受領したら応募費用の海外送金をお願いします。振込先はオフィシャルサイトに記載されています。すべての銀行手数料は応募企業の負担となります。またクレジットカードでのお支払いをご希望の場合は、本部までメールすれば対応してくれます。
【応募商品点数費用】
2点までの場合:1点につき1,430~1,530ユーロ(約23万円)
3点目以降 :1点につき1,180~1,280ユーロ(約19万円)
詰め合わせ商品:1パッケージにつき1,730ユーロ(27万円)
モンドセレクションの受賞結果は、出品した翌年の4月中に本部からのメールと郵送で知ることができます。ただし、優秀品質メダル(またはトロフィー)、証明書、および結果リストは授賞式の参加時に直接引き渡しが行われますので、授賞式に出席しない場合は、2ヶ月後の6月に本部からの郵送となります。手元に届くのは6月下旬から7月上旬になるかと思われます。
【備考】
受賞メダルデータはメールで審査結果が届き次第、申請をすることができますので、すぐに手続きをしてください。
本業はデジタルマーケティングの会社のようですが、モンドセレクションの申請代行も2017年頃からかなり力を入れている印象です。今やどんな商品・サービスでもあってもデジタルマーケティングで成否が決まると言ってもいいほど、ネットの力は強力です。それを強みとした企業にモンドセレクションの申請を依頼することで、より投資対効果の高い運用ができるのではないでしょうか。ただ公認代理店でありながら公式サイト(https://apply-monde.jp/)では、モンドセレクションから禁止されている全額返金を謳っているため確認が必要です。
会社名 | 株式会社ByThink |
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URL | https://bythink.co.jp/ |
所在地 | 〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿4-22-1 サンハウスB号 |
設立 | 2011年 10月 |
資本金 | 800万円 |
事業内容 | デジタルソリューション支援事業 広告代理業(運用型広告・アフィリエイト・SEO/MEO等) データ分析/解析 SNS広告&マーケティング E-Commerce支援事業 ECサイト構築 モンドセレクション申請代行 |
食品専門のコンサルティングをしている会社のため、モンドセレクションの申請代行以外に受賞後の展開についてもコンサルが可能。また各社のHPを見比べる中で、他社は2017年頃から代行業を開始しているが、株式会社Foods R&Dは2012年から開始しているため、どこよりもモンドセレクションをどのように活かせば売上げアップに繋がるのかノウハウが豊富そう。
会社名 | 株式会社Foods R&D |
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URL | https://mondesupport.com/ |
所在地 | 〒170-0013 東京都豊島区東池袋5-7-4-2F |
事業内容 | モンドセレクション公認エージェント 申請支援・代行 食品製造コンサルティング(HACCP) 食品飲料専門PRサービス http://pr-foods.com/ |
本業が翻訳会社のため、商品をどこよりもうまく表現して申請を代行頂けそう。モンドセレクションは商品力が問われることはもちろんですが、世界中から様々な商品がモンドセレクションの受賞を狙う中で、ちょっとした表現力の差で賞を逃したり、金賞が銀賞になってしまったりといったことがありそうなので、ライバルが多そうな商品はトランスファクトリーにお願いすることで、頭一つ飛び出た申請ができるかもしれません。
会社名 |
株式会社トランスファクトリー |
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URL | https://www.transfactory.net/ |
所在地 | 〒103-0006 東京都中央区日本橋富沢町11-6 英守東京ビル4F |
設立 | 2010年10月 |
資本金 | 1,000万円 |
事業内容 | 翻訳サービス モンドセレクション申請代行サービス iTQi国際優秀味覚賞申請代行サービス 多言語ホームページ構築 海外プロモーション 通訳電話サービス |
申請代行料金がもっとも安いので、複数の商品をモンドセレクションに出品する際はこちらの会社がおすすめです。こちらの会社は実際に問い合わせした会社の中の1社となり、モンドセレクションの申請代行業者から業務委託をうけて申請業務を行っているとのことでしたが、HPからであれば直接の依頼をうけているとのことでした。さらに掘り下げて聞いてみると上記に紹介した業者からも委託をうけておりました。下請け業者なので料金も一番安いということですね。しかも受賞できなかった場合は代行費用全額返金なのでよほどの自信があるものと思われます。
会社名 | 株式会社リテンション |
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URL | https://mondeselection.re-tention.jp/order/ |
所在地 | 〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田一丁目2番2号 大阪駅前第2ビル2階 |
事業内容 | Webサイトの企画・設計・デザイン Webサイトの更新・保守・運用作 企業・店舗などのロゴデザイン・ブランディング CRMの導入支援 品評出品代行業務 |
結論から言いますと、いくつかある商品の中から3つの商品をモンドセレクションに申請し、そのうち2つは金賞、1つは銀賞を受賞することができました。商品の月間売上は低いもので25%、高いもので200%近くアップしたため、受賞に掛かったコストをわずか1ヶ月足らずでペイできたのです。この効果には本当に驚きました。もっと早くモンドセレクションに気づいていれば・・・と思ったのは言うまでもありません。
またモンドセレクションの受賞に伴い大きな副次的効果もありました(こちらの効果も相当大きいです)。それは自社で開発している商品がモンドセレクションの金賞を受賞したという事実により、スタッフのエンゲージメントが大きく向上したことです。自分たちの扱っている商品は世界的な賞を受賞したという事実が自信となり、業務に対する意識までも変わっていったのです。もっとこうすればより良くなるのではないかといった議論が活発に行われ、次々と商品企画を繰り返すようになったのです。
どんな企画よりも優先してモンドセレクションの優秀品質ラベルの取得に動かれることをオススメいたします。来年の4月にその効果を実感するときが必ずきます。
ご存知かも知れませんが、モンドセレクションの受賞については申請した各カテゴリーの中で品質を競うわけではなく、一定の品質をクリアしていれば受賞できる制度となります。つまり相対評価ではなく絶対評価ゆえにモンドセレクションを受賞した商品が増え続ける可能性があるということです。 受賞商品が増え過ぎた場合、陳列された商品の中にいくつもモンドセレクションの受賞ラベルを貼った商品が並びます。こうなってしまうとモンドセレクションの効力は弱くなってしまうことは避けられないでしょう。
だからこそモンドセレクションの事務局は「3年連続最高金賞!」といったように毎年モンドセレクションを受賞した商品の価値が上がるよう格付けも行っているのです。一度だけ受賞した商品よりもブランドイメージがアップするように。ただし、先ほど記載したようにモンドセレクションは絶対評価のため、今年は落選したけど来年は受賞できるといったものではありません(商品の品質改良を行えば別ですが)。逆に一度受賞できれば、受賞し続けることができるのでブランドイメージを向上させ続けることが可能になるのです。よって、同業他社の追随を許さないよう単年だけの受賞で満足するのではなく、一度取ったらずっと取り続けるべきだと思います。